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※この記事でいう「ハリネズミ」は、ハリネズミ(ヨツユビハリネズミ)を指します。
※この記事には、私が実際にハリネズミと暮らした経験が含まれています。一方、飼育環境や健康管理に関する一般的な情報は、現在の獣医学資料を確認したうえで整理しています。個体差が大きいため、体調や飼育方法について不安がある場合は、ハリネズミを診療できる動物病院へ相談してください。
ハリネズミを飼ってみたい。
そう思って調べ始めると、「何を揃えればいい?」「仕事をしながらでも飼える?」「なついてくれる?」「毎日の世話は大変?」と、意外と分からないことが多いと思います。
私は実際に、ハリネズミの「針山くん」と暮らしていました。
針山くんとは最終的に3歳まで一緒に暮らしました。
実際に飼ってみて特に印象に残っているのは、次のようなことです。
- 食事にはかなり好みがあった
- 警戒心が強かった
- 夜になると活発になった
- フードや床材は試行錯誤が必要だった
- 「たくさん触れ合うペット」とは少し違った
一方で、その子の性格や生活リズムに合わせて環境を整えていくと、静かに過ごす姿を眺めているだけでも癒やされる存在でした。
この記事では、私が実際に飼ってわかったことと、現在確認できる一般的な飼育情報を分けながら、ハリネズミを迎える前に知っておきたいことをまとめます。
この記事の読み方
「針山くんの場合はこうだった」という実体験と、「ハリネズミ一般ではこう考えられている」という情報は、できるだけ区別して記載します。
先に結論
- ハリネズミは「静かでかわいい」だけではなく、温度管理と個体差対応が大切
- 食事・床材・性格には試行錯誤が起こりやすい
- たくさん触れ合うより、距離感を大切にできる人に向きやすい
- 飼う前に、通える動物病院と日常管理を確認したい
ハリネズミを飼う前に知っておきたい3つの特徴
針山くんと暮らしていて、特に強く感じたのは次の3点でした。
- 食事の好みに苦労することがある
- 警戒心が強い
- 夜に活動する
1.食事はかなり試行錯誤した
飼い始めて間もないころ、針山くんの食欲が落ちてしまい、かなり焦ったことがあります。
「好みが変わったときに備えて何種類かフードを用意した方がいい」という情報を見て、実際にいくつか試しました。
ところが、変更したことをきっかけにほとんど食べなくなってしまったこともあります。
その後もフードはいろいろ工夫し、最終的には食べてくれるものを組み合わせる形に落ち着きました。
MSD Veterinary Manualでは、ハリネズミは新しい食べ物を受け入れるまで時間がかかることがあり、食事の変更は慎重に行う必要があるとされています。
私が飼って感じたのも、「評判の良いフードだから、この子も必ず食べる」とは限らないということでした。
【我が家で試したフード】
ハーリーの主食
お迎えした専門ショップでおすすめされたフード。食いつきが良い。
かなり固めなのでドライで与えるときは少し割ってあげた方が食べやすそうな印象。
人肌のお湯で少しふやかしてからあげていました。
ジクラアギト ハリネズミ専用フード
食いつきが良く、ビタミン・ミネラル・鉄分などが含まれてい他ため候補として試しました。
2.警戒心が強い。無理に触れ合わなくていい
針山くんは警戒すると体を丸めて針を立てました。
一方で、慣れている場面では膝の上で落ち着いていることもありました。


私は、大きな音をなるべく避ける、急に近づかない、強い香りを避ける、嫌がるときに無理に触らない、といったことを意識していました。
「なつく・なつかない」と二択で考えるよりも、その子が安心できる距離を探していくくらいの感覚の方が、実際の飼育には近かったと思います。
3.夜になると本格的に活動する
ハリネズミは夜行性です。
針山くんも、日中は寝ていることが多く、夕方から深夜、早朝にかけて活動することが多くありました。
特に印象的だったのが回し車です。
私が見ている時間にはほとんど走らないのに、寝静まったあとになると、カラカラカラ……と回し車を使っている音が聞こえてきました。
MSD Veterinary Manualでも、健康なハリネズミは活動的で、運動用の回し車が推奨されています。
選ぶときは、足が引っ掛かるおそれのあるワイヤー状の走行面ではなく、走る面が平らなソリッドタイプを検討します。
我が家ではこのホイールをゲージに固定して使用していました(スタンドで転倒するのが怖かったため)。
サイズはもうひとつ大きいサイズもあるので、ハリネズミの大きさに合わせて選ぶのがおすすめです。
ハリネズミのお迎え前に準備したいもの
私が実際に飼育していたときに使っていたのは、主に次のようなものです。
- ケージ
- 隠れ家
- 回し車
- 床材
- フード
- 食器
- 給水用品
- ヒーターなどの温度管理用品
- 温度を確認するための機器
- 掃除用品
- 爪切り
- 通院時のキャリー
ただし、ここで重要なのは、「私が当時使っていたもの」と「現在あらためて選ぶ場合の条件」は同じではないということです。
最低限揃えたいもの
・ケージ
・隠れ家
・床材
・フード
・食器/給水用品
・冬場なら、ヒーター
ケージ|当時はR60を使用。ただし今ならもっと広さを重視する
私は当時、SANKOの「シャトルマルチR60」を使用していました。幅約61cm、奥行約36.5cmのケージです。
使い始めたころは十分に感じていましたが、針山くんが大きくなってくると、「少し手狭かもしれない」と感じるようになりました。
現在のMSD Veterinary Manualでは、ハリネズミの飼育スペースとして、床面積およそ0.6m×0.9m以上が推奨されています。
そのため、R60は「私が実際に使ったケージ」として紹介しますが、「これを選べば十分」とは考えていません。
今あらためて選ぶなら、床面積、脱走しにくさ、換気、足を挟みにくい構造、掃除のしやすさ、回し車や隠れ家を置いた後の余裕を重視します。
隠れ家|安心して休める場所をつくる
ハリネズミには、身を隠して休める場所が必要です。
針山くんも日中は寝ていることが多かったため、落ち着いて休める寝床を用意していました。
ケージを広くしても、何もない空間にするのではなく、「隠れて休める場所」と「活動できる場所」の両方をつくることを意識します。
基本的には気に入ったものを選べばOKですが、冬場は温度管理のため下にペットヒーターが入れられる(置ける)サイズのものがおすすめです。
我が家では、夏と冬で別のものを使用していました。
【隠れ家候補】
床材|実際にいろいろ試して、最終的にこの組み合わせになった
床材については、最初から同じものを使い続けていたわけではありません。
実際にいろいろ試し、臭いへの対処、歩いたときの音、掃除のしやすさなどを考えた結果、私はコーン系の床材とクルミ系の素材を使う形に落ち着きました。
これは、ネットでおすすめされていたものをそのまま使ったのではなく、実際に試行錯誤した結果です。
ただし、MSD Veterinary Manualでは、床材は柔らかく吸収性があるものが推奨され、粗いもの、埃っぽいもの、強い香りのあるものは避けるよう示されています。
そのため、「私はこの素材を使っていた」=「すべてのハリネズミにこれがおすすめ」とは考えません。
メイン床材は、コーンリター
サブ床材は、くるみリター
針山くんの場合、100円ショップのトレイにくるみリターを敷いてゲージ内に入れていたら、トイレとして使用してくれていました。
ハリネズミはトイレを覚えるわけではないようなので、偶然かもしれませんが、日々の掃除がかなり楽でした。
温度管理|ヒーターだけでなく「実際の温度を測る」
ハリネズミを飼ううえで、特に重要なのが温度管理です。
私も冬場は、小動物用ヒーター、ケージ周辺の防寒、暖かい寝床、必要に応じたエアコンなどを使っていました。
MSD Veterinary Manualでは、飼育環境の温度はおおむね22〜32℃、適温として24〜29℃が示されています。
低すぎる温度だけではなく、高すぎる温度にも注意が必要です。
そのため、単にヒーターを置くだけではなく、ケージ周辺が実際に何℃になっているか確認できるようにすることが重要です。
季節によって室温が大きく変わる日本では、ヒーターだけでなくエアコンなどを併用して環境全体を調節する必要が出ることもあります。
フードと水|「何を与えるか」と「食べているか」の両方を見る
フードは、私が飼育で最も試行錯誤したもののひとつです。
針山くんの場合は、フードを変えたことで食べなくなった経験もありました。
そのため、何を与えるかだけでなく、実際にどのくらい食べているかを見ることが大切だと感じています。
MSD Veterinary Manualでは、ハリネズミ用または食虫動物向けのバランスの取れたフードを基本とし、肥満を防ぐために食事量を管理すること、新鮮な水をいつでも利用できるようにすることが示されています。
また、2025年更新のMSDの栄養資料では、ハリネズミの1日量は少なくとも2回に分け、そのうち1回は夜間に与えることが望ましいとされています。
我が家では「1日1回でも大きな問題はなかった」ですが、できる限り2回に分けた方が良いと思います。
食事を変更するときも、急に切り替えるのではなく、その子の食べ方や体調を確認しながら慎重に進めます。
毎日の世話|「何分で終わるか」より状態を見る
私が日常的に行っていたのは、食事、水の確認、糞尿の掃除、ハリネズミの様子を見ることです。
さらに定期的に、ケージの掃除、床材の交換、爪の確認・爪切りなども行っていました。
以前は「1日10分程度」と考えていました。実際、私の環境では短時間で終わる日も多くありました。
ただ、今あらためて書くなら、「ハリネズミなら毎日10分で飼える」とは表現しません。
時間を決めるより、食べているか、飲んでいるか、排泄しているか、いつもと違う様子がないかを毎日確認する方が重要だと思います。
一人暮らしでも飼える?|私は飼えた。でも「誰でも楽」とは言わない
私は単身生活でも針山くんを飼育することができました。
日中は寝ていることが多く、犬のような屋外散歩も必要なかったため、自分の生活リズムとは比較的合わせやすかったです。
ただし、「一人暮らしなら飼いやすい」とは言い切れません。
- 温度を維持できるか
- 毎日状態を確認できるか
- 掃除や食事管理を続けられるか
- 長時間不在になる日の対策ができるか
- 病気のときに通院できるか
特にお迎え前に確認しておきたいのが、ハリネズミを診てもらえる動物病院が通える範囲にあるかという点です。
エキゾチックアニマルは、すべての動物病院で診療してもらえるとは限りません。
体調を崩したときまで含めて生活を組めるかを確認してから迎えることをおすすめします。
ハリネズミを飼うのに向いていると感じた人
私自身の経験から言えば、「たくさん触れ合いたい」より、「その子が暮らしている姿を見るだけでも楽しい」と思える人の方が、ハリネズミとの生活には合いやすいと感じました。
針山くんも、いつでも触らせてくれるわけではありませんでした。
それでも、餌を準備すると出てきたり、深夜になると回し車を使っていたり、たまに膝の上で落ち着いてくれたり。そうした小さな変化を見るのが楽しかったです。

「なついてほしい」と人間側の期待を押し付けるより、ハリネズミらしく暮らしている姿そのものを楽しめるか。
私はそこが大切だと思います。
針山くんと3年間暮らして振り返ると
針山くんとは、最終的に3歳まで一緒に暮らしました。
フードではかなり試行錯誤しました。
床材についても、掃除のしやすさや臭いなどを考えながらいろいろ試して、最終的に旧記事で紹介していた環境に落ち着きました。
「あの飼い方は大きく間違っていた」と感じることはありません。
ただし、今あらためて記事にするなら、「自分の家ではこれでうまくいったこと」と「すべてのハリネズミにおすすめできること」は分けて書くべきだと思っています。
まとめ|かわいいだけでなく、その子に合わせて暮らせるか
ハリネズミは、小さくて静かで、とても魅力的な動物です。
一方で、食事の好み、警戒心、夜の活動、温度管理、飼育環境、健康管理など、実際に一緒に暮らしてみないと分からないこともたくさんありました。
必要な用品を揃えるだけではなく、「この動物の生活に自分が合わせられるか」まで考えてから迎えることが大切だと思います。
そして迎えると決めたなら、最後まで責任を持って暮らす。
針山くんと3年間暮らした経験から、これは今も変わらず伝えたいことです。
参考資料
- MSD Veterinary Manual — Management of Hedgehogs(最終更新 2024年9月)
- MSD Veterinary Manual — Nutrition in Insectivores, Edentates, and Aardvarks(最終更新 2025年9月)
※実際の健康状態、食事、温度管理等については個体差があります。異常がある場合や判断に迷う場合は、ハリネズミを診療できる動物病院に相談してください。
飼育前に最低限必要な用品をまとめて確認する
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